【ちっごのお土産】水田焼

恋のくに委員会のしーです。筑後市で約300年の歴史を受け継ぐ水田焼(みずたやき)を紹介します。

 水田焼は、筑後市水田地区で栄えた焼き物です。300年前というと江戸時代、その頃この地は久留米藩。水田焼は久留米藩の御用窯として重宝されました。当時、筑後市内の赤坂で焼き物に適した土が取れ、水田焼にも使われました。現在、水田焼の伝統を継いでいるのは光窯(こうよう)一軒だけ。土は佐賀県唐津のものを使っているそうです。

水田焼光窯の7代目・近藤光男さん。高校時代は陶芸を継ぐことに反発を覚えていたそう。だけど25歳くらいの頃、陶芸家として著名な荒川豊蔵氏の個展を見て、やはり継ぎたいという想いが芽生えます。そこからは自分の世代で何ができるかを考え「作品にストーリーを与えたい」と感じるように。

そこで生まれたのが『絣皿(絣組皿)』。江戸時代の久留米藩で生まれた織物・久留米絣を水田焼のお皿の柄にしました。この絣皿を生んですぐの2012年、『第29回西日本陶芸美術展』の「第2部・用の美・実用陶磁器部門」において優秀賞を受賞しました。

300種類の釉薬を使って生まれる様々な色合い。一方で釉薬を使わず‘焼きしめ’によって、土そのものの良さを感じ取れる作品もあります。釉薬の濃度、焼成温度の加減、「まだまだ難しい」と語っていました。現在は8代目となる息子さんと作品作りを行っています。ちなみに水田焼を購入できるのは、水田焼光窯以外だと、筑後市ふるさと納税返礼品かな?あと、水田天満宮・恋木神社のハート守は水田焼でできているので、可愛く手軽に手に入れられるかも?実は恋木神社の参道に埋め込まれたハート型の焼き物の、水田焼なんですよ。

最後に、今回の取材でびっくりしたのは7代目・光男さんがスポーツマンだってこと。熊本城マラソンに参加したり、山登りが好きで富士山にも登ったり、クロールで2km泳げたり、一ヶ月で150~200km走るんだとか。陶器を作るにも体力が必要。体調がいいと創作意欲も湧くそうです。

■水田焼 光窯
住所:福岡県筑後市大字野町12
電話番号:0942-52-2524
※取材は2024年12月に行いました。情報は取材時のものですので、変更の可能性があります。ご注意ください。